Interviews | 最終回 File No.13

井上大烈さん

Q1. はじめて檸檬の実を訪れたきっかけとそのときの印象は?

オズマガジン制作のために新しいお店を常にチェックしている中で、情報を得て伺いました。
古い建物の味わいと、イダさんのお人柄がマッチしていて、確かほかのお客様とイダさんがなにげない世間話をされていた、その距離感や風景全体がとても心地よく感じていたことを覚えています。

Q2. 檸檬の実で食べたいメニューは?

カレーとデザートをいただきたいです。

Q3. これからの檸檬の実に期待していることは?

長くあの場で続けていただけたら嬉しいなと思います。
あの場所に檸檬の実があって、イダさんがいらして、また会いに行きたいなと思えることが、なかなか頻繁には伺えないとしても、僕としてはとてもありがたいことです。

Q4. あなたが大事にしていることは?(人生、食、人との関係etc…)

カラダを動かすこと。よりみちを楽しむこと。

井上大烈さんのファンタジーワールド

~取材おまけエッセイ~

最終回は、スターツ出版の井上大烈さんにご登場いただきました。
井上さんは、2006年から雑誌『オズマガジン』編集部に所属、2018年から2021年にかけて同誌の編集長を務められました。

なぜ、井上さんが最終回のゲストに?
そう思われた方も多いのではないでしょうか。
いきさつをお話しします。

「4つの質問」のお答えにもあるように、井上さんは、以前より檸檬の実を訪れ、『オズマガジン』の誌面で檸檬の実を紹介するなど、店主のイダさんと交流されていました。

一方、私は『オズマガジン』の一読者で、いつか井上さんに展示を観に来ていただけたら最高だなと勝手ながら思い、展示のご案内を編集部宛にこれまた勝手ながらお送りしていました。

当初、「たべる人」の連載は全12回の予定でしたが、12回目を迎え、心残りがあることに気づきました。
連載中、ずっと頭の片隅で井上さんをお招きしたい、お顔のちぎり絵を作ってみたいと思いながらも、いやいや、お忙しいだろうし無理だろうと断念していたのです。

でも最後に、もう断られてもいいから、せめて声だけはおかけしたいと思い立ち、イダさんにご相談、急遽あと1回延長し、井上さんに最終回ゲストのオファーをさせていただきました。
思い切ってみるものです。
イダさんの後押しのおかげもあり、ご快諾いただけ、私にとってはプレゼントのような最終回となりました。
以上が井上さんご登場のいきさつです。

では、会食日の話へまいりましょう。
5月の晴れた日に、檸檬の実へ自転車で颯爽と現れた井上さん。
憧れの存在のお出ましに、私はだいぶ緊張していましたが、井上さんはまったくもって謙虚なお人柄で、飾らずに真摯にお話しをしてくださって、ああ、私もこんなふうに他者に接したいなと思ったのでした。

井上さんがリクエストされたのは、カレーとデザート。
カレーは2種類、並びました。

チキンレッグがボーンと1本入ったトマトベースのチキンカレーは刻んだパクチーが良い香り。そら豆とタマネギのグリル添え。
エビカレーは、ココナッツ、生クリーム、ヨーグルト、カルダモン、レモンピール、唐辛子なども入っていて、最後に温めるときにレモン汁を加えたというイダさんの手間と工夫が光っていました。

デザートは、マンゴーゼリーの上にマンダリン、パール柑、スポンジケーキなどが重ねられ、イチヂクの葉も飾ってあって、横から見た色合いも綺麗。

他に、花の咲く草原のようなサラダ、ピーマングリル、マッシュルームグリル、ゴーヤのマリネ、そして、爽やかな香りのライムラッシー!
おなかいっぱいの嬉しいランチとなりました。

さて、井上さんのファンタジーワールドについて。
お話しをしていて、柔らかさとともに、中心部から勢いのある鰹のようなブリリリリンとした筋肉質な強さが放たれているように感じました。
その印象が山伏に結びつき、山のてっぺんで一人静かに星の配置をさまざま並べ替え、あらたな星座を作り出しているイメージが湧きました。

夢の叶った最終回。
井上さん、お付き合いくださり、ありがとうございました!

※井上さんのブログ「暇と退屈とよりみちの倫理学」、おすすめです。
読むとなんだかホッとして、ちょっとそこまで散歩に出かけたくなります。

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最後に。
これまで「たべる人」をご愛読いただいたみなさま、どうもありがとうございました。
快くご登場いただいたゲストのみなさま、お力添えをありがとうございました。

そして、檸檬の実のイダマイコさん。
毎回うきうきするお料理、ごちそうさまでした。
あれもこれも、とってもおいしかったです!

今年の秋に「たべる人展」を檸檬の実で開催予定です!
みなさま、ぜひいらしてくださいね。
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たべる人 井上大烈さん
1977年生まれ。雑誌編集に20年ちょっと携わり、現在は書籍・コミックの販売営業に従事。横浜に引っ越してきて4年目、海が近いっていいものですね。素敵な企画にお招きいただき、本当にありがとうございました。


構成・ちぎり絵:渡辺えみ
https://emiwatanabe.com

たべる人

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