2020年9月11日(金)
久し振りに遠出をする予定があって特急列車に乗ったときのこと。窓から田園風景が見えて、空と山で雲が流れる景色を見た時に「旅をしているな」と言う気分になった。
自宅近くを歩いていてもあまり感じないそれ、以前友人と都内を遊んでいる時に神田付近でご飯屋を探していた。歩き慣れない場所で開いているお店を探すのもやっとのこと蕎麦屋に入り注文をしたあとで友人が「なんかいま旅行してる気分になった」と言って確かにそんな気分になった。少し古びた和室の匂いと夜の明かりを思い出した。
山並みを過ぎて川を過ぎて街を通り過ぎる。
それから少し俯瞰してみて、この気分はうわの空のようだと思った。
自分が普段は居ない此処に居ることが少し可笑しかった。
昨日は部屋で展示の荷物を詰めながら緊張していた自分よりかわくわくしている。また、帰る場所と行く場所があるのだということとか。こういう気分が自分には必要だと思った。
阿部 龍一(あべ りゅういち)
絵描き・旅人
1987年東京生まれ。歩いた処とそれまでの道のりを絵にしています。
甘党、好きなアイドルはモーニング娘。
abepuici.tumblr.com