Interviews | File No.8

鈴木夫妻

Q1. はじめて檸檬の実を訪れたきっかけとそのときの印象は?

2010年の秋頃、当時ブラウスを買っていた谷中のお店のブログに紹介されていたので行ってみました。
正直なところ、初対面のマイコさんはちょっときつい感じがしました。
タルトかケーキのどちらかを買ったのですが、値段も強気に感じられて、それからしばらく近づくことはありませんでした(笑)。
2013年の3月に、当時花を買っていた花屋さんが檸檬の実で花教室を開くことになり、それに参加してから、マイコさんの明るく飾らない人柄に触れ、今までずっと通っています。

Q2. 檸檬の実で食べたいメニューは?

あまりにも食べたいものが多すぎて、これは悩みますね。
以前、夜営業をやっていた時に持ち帰っていたメニューが30枚ほど手元にあって、それを見返して、毎年、毎月、たくさんのメニューを一人で考えて作って運んでパンやケーキも売ってお会計して(お手伝いの女子がいた時期もありますが)、つくづくすごかったよね…と振り返っています。

その時の旬の食材や、マイコさんが訪れた土地の食材や、お知り合いから届く食材を使ったお料理を堪能できるのは、とても贅沢なことでした。
そしてとにかく、スパイスの利かせ方と食材の取り合せと色彩が素晴らしいですよね。
その夜営業の時に、あると必ず選んでいたものを今回はリクエストすることにします。

◎羊肉のお料理
◎果物を使った和え物
◎二、三人用のまあるいお鍋で炊いた炊き込みご飯

和洋中、多国籍色々ありましたね! 食材の取り合わせは言うまでもなく、その切り方や大きさも絶妙に考えられていて、いつも感動していました!

Q3. これからの檸檬の実に期待していることは?

コロナが収束に向かったら、また夜檸檬もお願いしたいところですが、マイコさんの気持ちが赴くままに進んでください! と思っています。
小林さん(マイコさんの夫)の出現で、きっと今まで以上に楽しい展開が見られるのではないかと期待しています!!

Q4. あなたが大事にしていることは?(人生、食、人との関係etc…)

栄養や色や食感などのバランスが取れた食事をすることでしょうか。
食いしん坊でかつ健康でいたいとなると、こうなりますね。
人から励まされ、元気をもらって、気持ちの健康を保ってこられているので、小さな存在でしかないですが、明るい気持ちを共有できるようにありたいと思っています。

奥さまのファンタジーワールド
旦那さまのファンタジーワールド

~取材おまけエッセイ~

「たべる人」8回目のゲストは、檸檬の実の夜営業にも何度も通っていらした常連さんの鈴木夫妻です。

ランチとは別日に、先にお顔の写真を撮らせていただいたのですが、初めてお二人にお会いしたとき、「調和」という言葉が浮かんできました。
ランチをご一緒してからも、調和の印象は増すばかりで、お互いを大切に思っていらっしゃることが伝わってくる、お話ししていて安心感のあるお二人なのです。

さて今回のランチ、とにかくもりだくさんでした。
リクエストにもあった羊肉のメニューを中心に、どどーんと運ばれてくる料理のパレード。

グレープフルーツ、キウイ、山椒入りの羊サラダ。パプリカ、パパイヤ、フェンネルの香る羊煮込み。そして、羊カレーと続き、羊たちが大活躍。
他にも、とうもろこしのスープ、ビーツのマリネ、もりつけの美しいサラダ、焼き立てフォカッチャ、ブルーベリータルトなど、続々と仲間たちが集いました。

イダさんは、鈴木夫妻が強靭な胃袋をお持ちであることをご存知なので、まるでどこかの国のお祭り料理では? と思うほど、テーブルをにぎやかにしてくれました。
(その後、私はふくれたお腹をゆさゆささせて帰宅、2時間昼寝)。

檸檬の実は、今年の4月から5月にかけて一ヶ月ほど休暇をとっていました。
営業再開して初の「たべる人」ランチが今回。
休暇でリフレッシュされ、さらにパワーアップされたイダさん。新たなステージに躍り出て、クルクル舞いながらスパイスをふりかけている姿が思い浮かびました。
羊煮込みのスパイスとハーブの使い方は、今まで食べたことのない香りがして、特に驚きがありました。

ランチ後、今回はいつもの料理ちぎり絵のサイズに収まらないだろうなあと思っていたら、イダさんから、
「はみだす感じで作ってみて」
とアドバイスをいただきました。
おかげさまで、祭り料理の躍動感が出ていませぬか?

ところで、鈴木夫妻の「ファンタジーワールド」(=サブタイトル)ですが、お二人からは和の印象を強く受けました。
奥さまからは時空を超越している感じ、旦那さまからは受け継ぐというイメージが湧きまして、歌人と刀鍛冶のカジカジなるファンタジーワールドとなりました。

たべる人 鈴木夫妻
檸檬の実歴 約7年。
来年磁器婚式。
人生のセカンドステージに向けて音楽室とベランダ苔庭を整備中。


構成・ちぎり絵:渡辺えみ
https://emiwatanabe.com

たべる人

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