Interviews | File No.10

長岡夫妻

Q1. はじめて檸檬の実を訪れたきっかけとそのときの印象は?

近所のお散歩中に檸檬の実をたまたま見つけました。
お店の佇まいに惹かれて一人で入りました。10年くらい前なので、お料理や店主のマイコさんのことはあまり覚えていませんが、すごいお店を見つけちゃった! と嬉しかったのはよく覚えています。それから主人と時々行くようになりました。

Q2. 檸檬の実で食べたいメニューは?

ミートパイ、魚。

まだ子供が小さくて、夜の時間帯は行けなかった頃、夜メニューの紙をもらって帰り、眺めては想像を膨らませて楽しんでいました。
今回はそのメニューにあった中のひとつをリクエストさせていただきました。

Q3. これからの檸檬の実に期待していることは?

これからも楽しくごはんを作り続けてほしいです。

Q4. あなたが大事にしていることは?(人生、食、人との関係etc…)

コロナ禍であまり遠出はできませんが、ここ谷根千地帯はお寺や古い建物が残されているだけではなく、意外と緑も多いです。
今朝ジョギングしたら、朝陽に照らされたイチョウやススキがとてもきれいでした。ささやかですが、五感で四季を感じられる時間を大切にしたいです。

奥さまのファンタジーワールドだんなさまのファンタジーワールド

~取材おまけエッセイ~

「たべる人」file.10のゲストは、常連さんの長岡夫妻をお招きしました。
奥さまにはお店で何度かお会いしたことがありましたが、だんなさまとは初めましてのランチ会となりました。
お二人がリクエストされたのは、ミートパイと魚。

先に運ばれてきたのは、サーモンのタルタルです。
盛りつけ、色合い、すでに見た目からワクワク感を放っています。
赤いソースは、ローストしたパプリカを皮をむいてからミキサーにかけて作ったそう。
セロリのみじん切り、ジェノベーゼサーモン、パイナップル、メキシカンオレガノ、ザクロがパラリとちらされたひと皿。
具材が「どうです? わたしたち、こんな楽しい姿になっちゃいましたよ」と誇らしげに見えます。
これらをすべて混ぜていただきます。なんともさわやかな香りのサーモン! 初めて行った国で出てきたその国自慢の料理のよう。

サラダはいろんな緑のてんこ盛りです。
ラベンダーの葉、オレンジミント、セロリ、レタス、サニーレタス、パクチー、マリーゴールドの花びらに、特製ドレッシングとゲランドの塩をふった美しいサラダ。

そして、待望のミートパイの登場です。
ホラ貝のような器に入ったチョコレートソースに目がくぎづけ!
ホカホカのミートパイとともに絵本に出てきそうです。
キラキラした目でミートパイに入刀する奥さま。それぞれとりわけて、魅惑のチョコレートソースをかけます。その楽しさといったら…!

チョコレートソースは、山ぶどうのコンポート、バルサミコ酢で煮たプルーンも入ったデミグラスソースで、仕上げに刻んだビターチョコレートがふりかけてあるという思いもよらぬ工夫が凝らされていました。驚きがいっぱい!

ミートパイのなかには、ゴールデンレモンタイム、ナツメグ、赤ワインなどで香りづいた粗めミンチの鴨肉がつまっていました。
長岡夫妻とともに絵本の食事の場面に登場したかのごとく、役になりきって完食しました。

他に、ピーマンとアンチョビのマリネ、マッシュポテト、シイタケのグリル、フォカッチャ、オレンジ入り紅茶、プリンもいただきました。

さて、お二人のファンタジーワールドについて。
奥さまのにがおちぎり絵を作りながら、お話ししたときの雰囲気を思い出していると、声やお話しする内容や視点から、この方はもしやアイドルなのでは? と思いいたり、そのようにしか見えなくなりました。
だんなさまからは、伝統芸能の世界と人に慕われている印象を受け、ふと世阿弥が浮かび、このようなファンタジーワールドとなりました。

長岡家のみなさまで、「えー! お母さんがアイドルーっ!?」なんつって、記事をわいわいお楽しみいただけましたら嬉しいです。

奥さまが想像を膨らませて楽しんでいた夜メニューの証拠写真はこちら。

たべる人 長岡夫妻
結婚して22年。谷根千に引っ越して来て16年。
檸檬の実に出会って10年くらい。
子供3人、猫1匹。

好きなこと→夫:猫のヒゲ収集/妻:エアコン掃除
苦手なこと→夫:行列/妻:整理整頓


構成・ちぎり絵:渡辺えみ
https://emiwatanabe.com

たべる人

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