はじめて来てくれたその青年はズビズバ。ハコティッシュは自前、リュックから覗かせている
定食は和食だった。静かに食べてはくれているが、ズビズバ。気の毒すぎて声かけ、少しでも香りがわかればと、ふきのとうのお浸しをだした。花粉症ではなく風邪らしい、全然治らない身体で大学の卒業式を迎えたそうだ。四年通う間きになっていた檸檬の実を最後に訪ねてくれたという。ふきのとうは故郷・新潟の味だという。少し前も帰ってお祖母様と山に山菜採りをして、ご馳走を作ってもらい食べきれないほど持たせてくれたといって笑う青年。お祖母様の味の話はそれはそれはおいしいそうで、里芋の煮っころがし、佃煮、笹団子は絶品だとはなしてくれた。私には故郷がないから是非頻繁に帰ってあげてほしいというと、東京で四年間を過ごし農家をしているご家族の大変さもわかってきたそうだが、誇りにもおもうことができ、何時しか自分自身が憧れていることにも気付き、後を継ぐことを決めたそうだ。沢山の意味でのおめでとうを言いパンをひとつ渡した。青年の春らしい話が忘れられない、ふきのとうにはありがとうをつたえたい。
定食は和食だった。静かに食べてはくれているが、ズビズバ。気の毒すぎて声かけ、少しでも香りがわかればと、ふきのとうのお浸しをだした。花粉症ではなく風邪らしい、全然治らない身体で大学の卒業式を迎えたそうだ。四年通う間きになっていた檸檬の実を最後に訪ねてくれたという。ふきのとうは故郷・新潟の味だという。少し前も帰ってお祖母様と山に山菜採りをして、ご馳走を作ってもらい食べきれないほど持たせてくれたといって笑う青年。お祖母様の味の話はそれはそれはおいしいそうで、里芋の煮っころがし、佃煮、笹団子は絶品だとはなしてくれた。私には故郷がないから是非頻繁に帰ってあげてほしいというと、東京で四年間を過ごし農家をしているご家族の大変さもわかってきたそうだが、誇りにもおもうことができ、何時しか自分自身が憧れていることにも気付き、後を継ぐことを決めたそうだ。沢山の意味でのおめでとうを言いパンをひとつ渡した。青年の春らしい話が忘れられない、ふきのとうにはありがとうをつたえたい。