最速でうごいていたいと(オーバーだけど)おもう私は、より気が短くなった。はやくできてほしい!今か今かと待ってしまう、旬の仕事。仕込みは楽しくできても、さあできたーとならない。まだ出来ていない歯痒さがその後に待っている。食べ物をつくることを生業としているからこそ、尚のこと興味があるにもかかわらずだ。すこし前、いいアイデアが思いついた。それは『忘れる』ことだ。仕込みをして『忘れてしまうこと』をする。すっかり目には見えない場所へおいておく。そしてもう1つのコツは、人とそれをするということ。一緒にやれば仕込み中も楽しく、そのあとも片付けやお喋りに花が咲く。忘れ去っても憶えていてくれている誰かがいる。そろそろ梅の実の季節がまたくる。一年前、梅味噌を作った。冷蔵庫の奥の奥の奥、見えない所へしまう事をおぼえた私はすっかり忘れた。今日なんだろうと瓶を取りだし思いだし、意地にも近いチカラで蓋をあけ味をみた。ジャンプしたい!驚きの美味しさ。ぐるっとしなければ季節仕事はやっぱり楽しめないのだと大きく頷く。立夏の日だからより爽やかに一層おいしくたのしく感じられたのかとも思う